2016年5月8日日曜日

ロジの仕事

 今回の医療支援チームに業務調整員が構成されている。業務調整員は医療活動以外のすべてのことをこなす役割を担い、「ロジ」つまり「ロジスティクス」といわれる。日本語では「兵站」。つまり最前線が活動しやすい環境をつくる後方支援の一つである。事務的なパソコンの打ち込みから宿の手配、交通情報の収集などその仕事の範囲は広い。

  今回の医療支援チーム第一陣に参加した薬剤師の安藝敬生さんはDMATでも訓練を受け、今回は地震発生直後の熊本で支援活動を経験した。2回目の熊本入りとなる安藝さんはチームのムードメーカー的な存在だった。「業務調整員はメンバーの体調も気にしないといけないですよ。休んでいいよと目配りするのも大事な役割」と話す。メンバーが業務に集中できるように、いつも様子を気に掛け心を配っていた。

 山下和範医師はいう。「災害医療の現場では医師は医師の仕事だけ、看護師は看護師の仕事だけというわけにはいかない。誰もが臨機応変にロジをこなせる必要がある」。避難所を巡って診療活動をするだけが支援ではない。それを支える仕事もまたおろそかにできないと強調する。

業務調整をする安藝さん(右)